鳥取県の不登校について
今年も文科省から令和4年度の不登校に関するデータが出ましたね。新聞やニュースで不登校の児童数が10年連続の増加、小中合わせて30万人に迫る勢いということで、大きく報道されているところです。
私もデータを見てみました。個人的な備忘録として、簡単にまとめておきます。鳥取県の不登校児童については、小学校で492人、中学校では877人で、1000人当たりの割合は小中それぞれ17.4人、60.6人でした。つまり小学校では57.5人に1人(およそ2クラス当たりに1人)、中学校では16.5人に1人(およそ1クラス当たり1人~2人)となりました。
全体に占める不登校児童の割合について、鳥取県は小中ともに全国平均を超えています(全国平均は1000人当たり小学校17.0人、中学校59.8人)。また高校に関しても、平均を超えていました。小中高全て全国平均を超えているところは、私がざっと見る限り、宮城、石川、鳥取、島根、広島、福岡、沖縄の7県でした。山陰が全国的に不登校の割合が多いというこの実態を、どのように解釈していくのか、今後の課題になってくるでしょう。
また不登校の要因について、小中高に関わらず、50%以上が本人の生活リズムの乱れや無気力・不安などの項目になっていました。単純に考えると、本人の状況を改善するために、個別的な対応をする方向に加速していくでしょう。もちろん個が変わることも大切ですが、クラス集団や学校全体がより居心地良いものに変わっていくような、集団が変容する視点を見落とす危うさを孕んでいるように思います(そのための土台として、業務の見直しや教員数の確保なども必要でしょう)。要因の解釈とそれに伴う支援の方向性には、慎重な検討が求められます。
また年内に講演会をする予定(詳細は後日お知らせします)なのですが、先ほど述べた辺りを意識しながら、鳥取の教育・福祉の在り方について整理する機会にしたいと思います。
(参考文献:令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果)
(りょうた)
