反論するストカールさん
夏休みに、「学習タイム」と言って、言葉や数に触れるような時間をつくっています。一応、室内で過ごすことにはなっているのですが、ストカールさんは外へ出ていこうとします。
彼が玄関の扉を開けたので、「中にいようよ~」と声をかけると、サッと振り返り、私をじっと見つめ、
「外でミミズ取るけえ!」
と力強く反論してきました。その姿に、私は思わず感心してしまいました。黙って出て行ったり、「だまれ!」と言うのではなく、堂々とした佇まいで主張してきたのです。
「え~、もう外に行くの?」
「だから外でミミズ取るけえ!」
目線を外すことなく、私に対して必死に訴えます。ミミズのために。
そんな凛々しく立って言われたら、何も言えんやん。
どうやら、この後釣りで魚を釣るためのエサ探しをしたいようで、結局、一緒にミミズ探しに行きました。
一瞬、「何で言うこと聞いてくれないのよ~」と思いましたが、こうやって私を拒否するのではなく、私に分かってもらうために反論している分、ある種の信頼が感じられ、何だか嬉しくも思えたのです。
(りょうた)