反論するストカールさん

 夏休みに、「学習タイム」と言って、言葉や数に触れるような時間をつくっています。一応、室内で過ごすことにはなっているのですが、ストカールさんは外へ出ていこうとします。

 彼が玄関の扉を開けたので、「中にいようよ~」と声をかけると、サッと振り返り、私をじっと見つめ、

「外でミミズ取るけえ!」

と力強く反論してきました。その姿に、私は思わず感心してしまいました。黙って出て行ったり、「だまれ!」と言うのではなく、堂々とした佇まいで主張してきたのです。

 「え~、もう外に行くの?」

 「だから外でミミズ取るけえ!」

 目線を外すことなく、私に対して必死に訴えます。ミミズのために。

 そんな凛々しく立って言われたら、何も言えんやん。

 どうやら、この後釣りで魚を釣るためのエサ探しをしたいようで、結局、一緒にミミズ探しに行きました。

 一瞬、「何で言うこと聞いてくれないのよ~」と思いましたが、こうやって私を拒否するのではなく、私に分かってもらうために反論している分、ある種の信頼が感じられ、何だか嬉しくも思えたのです。

 だいぶ日にちが経ちましたが、写真は先月にあった大学での講演会の様子です。熱心に聞く学生さんが多くて、話していて心地良い時間でした。

(りょうた)