遊びの天才
2024年もたくさん遊びました。遊びながら自分の中で迷いも生まれました。個と集団。人は人と関わってこそ充実した時間を過ごせるのか、一人が好きなら個人で満足できればいいのではないか。本当に人との関わりを持つことは必要か?
心の中で自分に問いかけながら、少し離れて子どもたちの遊びの様子を見守るようにしました。でも、それでは自分自身が物足りなくて、“面白かった“という満足感がない。つまらない。そこで考えました。「“私”は、どんな時に楽しいと思うのか。」
それは、遊びや活動の中で夢中になって取り組んでいるときに、ふっと出てくる発想、思いもしなかった予想外の遊びの中の遊び、その思い付きを誰かと一緒に分かち合えた時のおもしろさなのだと気付きました。
そり滑り・そり上り?
みなさんは、そりに乗って斜面を上ろうとしたことがあるでしょうか?
斜面を覆う芝生の上に雪が5センチほど降り積もった日、意気揚々と雪遊びに出かけました。そりに乗って斜面を滑り降りたり、仰向けに寝転んで滑ってみたり、スノーボードのように立って乗ってみたり、思い思いの遊び方でそり滑りを楽しんでいました。そんな中で一人の子がうつぶせになってそりに乗り、斜面を上ろうとしているではありませんか!なんだそれ面白そう!なのでやってみると、雪の斜面に足を踏ん張り、腕で体を持ち上げようとしてもせいぜい2,3歩進めば重力に負けて斜面を滑り降りてしまいそうになります。それでももう一度踏ん張り上ろうと試みて「あーっ」と滑り降りてしまう。子どもと大人3人で、がむしゃらにやっているうちに笑いがこみ上げてきます。
竹とりからの物語
彼はいつも竹を使って何かを作ろうとします。今まで作ったものは、弓矢、釣竿、竹ぼうき、竹のそり。今回は竹のスキー板!竹をナタで割って、形を整えます。外で火を起こして竹の先の方を熱します。焦げないようにじっくりと温めると、中の水分がブクブクと出てくるようになり、ある瞬間ふにゃっと曲がりそうな手ごたえを感じます。温めすぎてぽきっと折れてしまうこともありながら、こつこつとスキー板を制作していました。ストックにするための細く割った2本の竹をふいに三角形に立て、「最初に立てれた人の勝ちな。」とバランスゲームが始まりました。
一生懸命やりながら、ちゃんと遊ぶ、子どもの力は本当にすごいと思います。発想の豊かさ、考え方の柔軟さは、時に必要でないものとなり、見落としてしまえばそれまでです。でも結果に捉われず余白の中に面白さを見出すことができれば、経験が豊かになります。心が躍るような出来事は、人を元気にする力があるような気がします。
2025年も、子どもたちといっぱい笑いながら、いっぱい教えてもらいながら、元気に過ごしていきたいなと思います。(とりかい)
