歌作り

—空を見てかんがえて— ゴッドスタイル

ハチのように とべるように するどいように いけるように

ふせのように あかるくいこう なつがくるぜ かみのチカラをつけてこう

くやしいことも あったけれど かなしいことも たくさんあったけど

たちあがれ! もえあがれ! 空を見て かんがえて

ぎゃくそうで ばくそうする じんせいに ばくしょう

 これは、ふみちゃんという子と一緒に、「ふせ」という大きな公園で作った歌詞です。元気が出るような歌に仕上がりました。

 ふみちゃんと私は、ゴッドスタイルというバンド(ごっこ)をしており、ふみちゃんが「アレス」、私は「ゼウス」とお互いに神の名で呼び合っています。これまでに10曲ほど歌詞を書いてきました。

 ある日、公園に着くと、すでに手には紙(カレンダーの裏面)とペンが握られていました。私はふみちゃんに呼び止められ、「なあ、歌詞作ろうぜ」と声をかけられました。友達が滑り台で遊ぶ中、ふみちゃんも一緒に滑り台の上に登りながら「・・・ハチ・・・・・・」とつぶやきました。なんのハチだろう?と思って聞いてみると、ハチは生き物の蜂であることが分かりました。そこから歌詞作りがスタートしました。

 私は「う~ん」と考えて、「ハチのよ~う~に~(ロック風に)」とつなげました。するとふみちゃんは、嬉しそうに歌詞を紙に書き込みました。その後、ふみちゃんが「とべるように」と言葉を考え、私が「するどいように」と交互に作っていきました。

 ふみちゃんは言葉を思いつくのにじっくりと時間をかけます。「う~ん・・・」と言い、ふらふらと滑り台を離れていき、1人でしばらく歩き続けてパッと思いつくのです。歌詞を書こうと紙を置くと、風で紙が飛ばされたりパタパタと動いてしまうので、落ち着いて書く場所を探すのに、さらにウロウロと歩き続けます。私もふらふらと歩きながら言葉を考えます。ゴッドスタイルの歌作りは、歩きがとても大切なのです。

 「〇〇ように」「〇〇ように」が続いていたところで、ふみちゃんが「あかるくいこう」と書き加えました。そこで私が驚いたのは、「○○のように」の繰り返しを自分から崩したことでした。言葉の語呂が好きなふみちゃんなので、繰り返しになるとそのループを楽しむのですが、この日は自分で新たな楽しみを見つけようとしたのか、繰り返しの外側で言葉を見つけたのです。確かに言われてみれば、明るい感じがします。

 歌が完成に近づいたころ、ふみちゃんが「空を見てかんがえて」を付け加えて、タイトルを「空を見てかんがえて」と書いていました。ふみちゃん曰く、家でこのフレーズは思い浮かんでいて、最後に付け加えたようです。

 車で帰る時に、近くにいた友達がふと発言した「逆走で爆走する人生に爆笑!」というとてつもない語呂の良さに、ふみちゃんがツボにハマり、思いがけずそれが歌の締めくくりとなりました。

(りょうた)

前の記事

読書会

次の記事

sweetな思い出