sweetな思い出

 先日、保護者の方々と一緒に、子ども達の成長や、ほどきのとっとの取り組みについてお話する機会を設けました。その中で嬉しいことがありました。私は日頃の活動の中で、保護者の方と気持ちを分かち合えた時、とっても幸せな気持ちになります。そんなに多く起こることではなく、また自分自身にとって大切なことを分かってもらえたという思いで、心の中は充実感で満たされます。

【ある日の出来事】

 2024年4月のある日、『あいうえバトル』というボードゲームをしていました。お題を聞いてひらめいた言葉を7つ以内のひらがなで書いて、相手が何を書いているか当てるゲームです。「くだもの」というお題にそれぞれが思いついた果物の名前を書いて人に見えないように裏返しにして置きます。ゲームスタート!50音順のひらがなの上にコインをのせていき、自分の書いた果物の名前にその文字を使っていたら表にしていきます。(例えば「りんご」と書いていて”り”を相手が指定したら、”り”を見えるように置く)段々と相手が何の果物を書いたか分かってきます。そして最後まで当てられなかった子が、「あっ、私間違えたかも!」と慌て始めました。するとその子が書いていたのは「スイートベリー」でした。「ストロベリーって書こうとしたんだけどな。失敗しちゃったー!」と嘆いていました。そんなに気にしなくていいことなのに、自分に落ち込んだり、恥ずかしいと思ってしまったり。そんなことは日常にたくさんあるわけで、周りはそんなに気にしちゃいないし、笑って済ませられることじゃんと、なんとなく流してもよかったのかもしれません。でもなんだかその時失敗なんて思ってほしくないなと強く感じました。ゲームに参加していた他の子と「スイートベリーっていう食べ物があったとしたらどんな味かな?食べてみたいな。なんか美味しそう。」という話になりました。「じゃあ作ってみよう!私の思うスイートベリー!」ということで、調理の企画が誕生しました。どんな味?甘い?すっぱい?クリーミーかな?といろいろ想像して、次回買い物に行くことになりました。一緒に作ったスイートベリーは、イチゴやヨーグルトやスポンジの入った、まるでパフェのような仕上がりになりました!

【保護者会でのお話】

 「スイートベリー」の作者の子のお母さんは、「この出来事をきっかけに、子どもが変わってきたような気がする」と話してくださったのです。そして、「失敗と思わなくて、こうやって考えればいいんだなって、目からうろこというか、自分自身が気付かされました。」とその時の心境を話してくださいました。日常の小さな出来事が、一年たって”あ~あの時に”と思ってもらえるような大事な思い出になっていました。そして、時を経て保護者の方と共有できることを本当にうれしく思いました。

 目の前で起こる出来事の中で、自分の考えを持ったり、新しい気付きに出会ったりして、人は成長していくものだなと思いました。だからいろんな場所に出かけて、いろんな体験をして、いろんな人に出会って、自分の世界を広げていってほしいなと気持ちを新たに2025年度の私の取り組みをスタートさせる力をもらいました。(とりかい)

 

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