名言
前にブログで紹介した「僕の持ち物」エピソードを爆誕させた子どもは、ケンちゃんと呼ばれています。
ケンちゃんが残していく名言は、深みがあるのかないのか分からないけれど、絶妙に大人の心をくすぐるパワーを秘めています。
この間、ケンちゃんは釣りをするために、針に餌を付けているところでした。釣りをする時には、じっくり待たないと魚がかからないということを、漁師さんから教えてもらったそうです。小さな針に小さな餌を頑張ってつけながら一言。
「待っとらんと、来るもんも来んけえなぁ。」
熟練の漁師みたいに聞こえるわ(笑)
なかなか餌を付けるのが難しかったらしく、「りょうたさんやって!」とパスされ、自分は網とバケツを持って「もう行く~!」と川へ向かっていきました。
さっきの一言どこいったんだ。
近くの川で糸を垂らしてみますが、魚は食いついてきません。(そもそも魚の姿すら見えないのですが…。)
このまま引き下がれないのがケンちゃんです。どうしたら魚が捕れるのかをケンちゃんなりに考えたようで、川の傍に設置されていた蛇口を捻ってホースの先を川に向けたのです。
川に水道水を流す!?何をしているのかさっぱり分かりませんでした。
するとケンちゃんが説明してくれました。
「水道水に含まれている塩素で魚をやっつけて、浮かんできたのを捕る!」
すごい発想やな!それは絶対思いつかん。
はたから見ると、水に水を注ぐという意味がなさそうな行為に見えますが、それは早計です。「普通」とされる魚の捕り方に囚われないケンちゃんの鋭い分析と発想力によって、ケンちゃんにしか出せない色を帯びた主体性が引き出されたのです。意味がないことにも、その子らしさが宿るんじゃないかなと思います。ケンちゃんの姿は、ほどきが大切にしたいことを体現しているようでした。
ワクワクしたスタッフ達は、ケンちゃんと一緒に、川に変化があるのかを観察してみることにしました。待ってみても特に変わった様子はありません。ケンちゃんは「魚、出てこんな~」と少し悔しそうでしたが、私はみんなで川を見つめていた時間になんだか充実感を覚えたのです。
(りょうた)



