夜に訪れるカニ

 小学1年生の子と一緒に、近くの水路へ魚捕りに行った時のことです。その子が水路の縁を見て、「え!・・・カニじゃん!でかい!」と興奮しつつ、網を使って見事捕まえることができました。サイズが大きく、カゴに入ったカニを何度も見入るほどでした。

 帰り道、彼が「これ、持って帰る!」と絶対に譲れない雰囲気でした。

 すると続けて、

「でも持って帰ったら、夜にカニの仲間が家にたくさんやってくるかもしれん…」

と神妙な面持ちで話すのです。

「そうなん!?カニの仲間たちが助けにやってくるのか!」

「うん。」

 今日は恐い夜になりそうですね。

「それ、まずいんじゃないん?カニがたくさん来たらどうするん?」

「全部やっつける!」

 勇敢だ。

 まあ、彼がどこまで本気だったのかは分かりません。しかし、「こんな大きいカニを持って帰ったらどうなるんだろう?大丈夫なのか?」と想像を膨らませてしまうほど、彼にとっては大きなカニだったのでしょう。こんな何気ないやり取りを子ども達としている時にこそ、不思議と救われた気持ちになるんですよね。(カニは結局、持って帰ることになりました。)

(りょうた)

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