自分の力を信じる②
図書室で、本に囲まれながら過ごすのが好きなお話し好きの女の子がいます。いろんなスタッフといろんなスタイルで、読み語りを楽しんできました。「ストーリーは私、セリフはとりさんね。」というのが私達のスタイルです。いろんな物語を役を交代しながら読み合ってきました。私達二人の読み合わせの楽しさをみんなにもいつか聞いてもらいたいなと思ったので、女の子に”いつかおはなし会ができるといいね。”と話していました。
その時がついにやって来ました。
ほどきのとっとでは、月に一回お抹茶をいただくお茶会があります。ありがたいことに、有志のお母さんが読み聞かせをしてくださいます。そのおかげでお茶会の日には、お話しを読む時間が定着してきました。あるお茶会の日、「今日お話し読んでみない?」と聞いてみました。それまでにも何度か聞いていましたが、なかなか首を縦にはふってくれなかったのに、この日は「うん!」とうなづいてくれました。読み方はいつもの、「ストーリーは私で、セリフがとりさん。」女の子が選んだ本は、少し前から貸出の本の返却かごに入っていた赤い表紙の絵本でした。二人では一度も読んだことがありません。読み慣れたお話ではなく、どうしてこの絵本なのか尋ねると、「なんかタイトルがいいよね。どんなお話か気になるんだよね。」と教えてくれました。『パパはジョニーっていうんだ』というタイトルの本を持って、みんなのいる部屋に行きました。
これから二人で絵本を読むんだけど、聞いてくれるかな?と声をかけると、みんな静かに聞いてくれました。女の子は初めて読むお話のはずなのに、スラスラと読みました。しっかりと絵本の文字を追いながら、セリフのところはとりさんが読むのを待ってくれます。絵本の主人公の心の声のようなところも、ちゃんととりさんが読むのを待ってくれます。お話は、主人公の男の子と、ジョニーという名前のお父さんが、手を振って別れ、またしばらく会えなくなってしまうという場面で終わります。
読み終わったあと、二人で図書室に戻り感想を話しました。女の子は、「いいお話だったよね。最後が寂しいけど、男の子はジョニーが大好きなんだね。」と話してくれました。みんなの前で緊張しながら読んでいたはずなのに、お話の内容をしっかりと楽しめたようでした。
同年代の子どもたちの前で、読み聞かせをするなんて、とても勇気のいることだったと思います。誘った私が言うのもなんですが、大人でも緊張してしまいます。しかも、初めて読む絵本!
これまで何度も読み合わせをする中で、「このお話のイラストかわいいね!」「読んでみると意外と面白かったね。」と感想を言い合い共有する素敵で楽しい時間を作ってきました。こうした経験の積み重ねが、自分の殻を破るきっかけを作ってくれたのだとしたら嬉しいなと思います。楽しんでやってきた経験の積み重ねの先に、新しいステージに上がる機会をプラスしていきたいなと思います。(とりかい)



