初めての質問

 高校生のはるかさんは、物静かで優しい人柄です。

 彼女は自分の言った言葉が相手を傷つけていないかをよく考えます。

 しかし考えるが故に自分の言葉を反省して苦しくなり、言葉にすることが難しい時があります。

 また周りの人の様子や評価を敏感に感じとるので、自分のできなさを重く受け止めたり、はたから見るとできていることでも本人としてはできていないと思ってしまいます。

 そこで、まずはほどきのとっとがはるかさんらしく過ごせる場所になってほしいなあと思いました。

 はるかさんとはゆったりと活動をやったりやらなかったりしながら、はるかさんがやってみたいことを一緒に探してみる日々を重ねていきました。

 すると少しずつこちらからの質問に対していろいろと話してくれることが増えてきました。

 ある日、秋には魚が食べたいねという話をしていました。

 するとはるかさんから、

 「りょうたさんはたくさん魚を食べますか?」

 と質問がありました。

 はるかさんからの質問!自分から質問してくれた!!初めてかもしれない!!!

 「うん!めっちゃ食べるよ!!!!!」

 思わず誇張してしまいました。

 謎に生き生きとした返事だったことでしょう。

 本人にとってほどきのとっとが自分らしく過ごせる場所になっているのかはわかりませんし、どんな活動が合っているのかを模索する日々は続いています。

 ただ、食べる魚の量を聞いてみたくなるというのは、心にゆとりがあってこそだろうなあと思います。

(りょうた)

(実際にあったエピソードのエッセンスはそのままに、これまで私が出会ってきた子ども達のエピソードを混ぜ合わせた文章になっています。)