余白を作る。余白で面白がる。

 タケルさんは学校に行ったり休んだりを繰り返していました。

 学校に入ると全身がこわばり、緊張と不安でいっぱいになってしまうのです。

 子ども達が帰った放課後の時間帯、私は彼と一緒に学校へ行く機会がありました。

 タケルさんは先生に漢字ノートを渡し、丸付けをしてもらっていました。

 彼はノートを受け取って、先生に見てもらったページを開いてみると、「え!」という驚きとともに満面の笑みを浮かべていました。

 何が書いてあるのかめちゃくちゃ気になったので、ノートを見せてもらいました。漢字には丸付けがしてあったのですが、ノートの余白にタケルさんが何気なく描いていた恐竜の絵があって、そこに「ティラノサウルスかな?いいね!」とコメントが添えられていました。

 タケルさんは恐竜が大好きで、集中が途切れた時にノートの余白に恐竜の絵を描いていたそうです。ただノートを提出する時は、ノートに落書きをしてはいけない!と思い、恐竜の絵は消すようにしていたそうです。この日はたまたま消し忘れてしまったのですが、先生に注意されるのではなく、逆に彼の好きな恐竜に関心を寄せてもらったのです。タケルさんは家に帰ってからお母さんに「恐竜を描いてもいいの!?」と嬉々として話していたそうです。

 ノートの余白という学習からはみ出したスペースだからこそ、タケルさんの好きな世界が垣間見えたのです。その瞬間を先生は見逃さず、彼の世界に入ってきてくれたことで、彼の心は少しばかりほどかれたように思います。余白を作るだけでなく、余白で面白がることが、子どもの中に眠る気楽さを呼び起こすのかもしれませんね。

(りょうた)

最近ネギがたくさん手に入ったので、ネギ焼で楽しんでます。焼いたら結構甘くなりますね~。