重みのある日常2

 12月に入ってもぽかぽか暖かい日が続いていました。ほどきから少し離れた公園に歩いて出かけることにしました。土手を歩いて帰るとき、「だるまさんがころんだしようよ~。」と子どもたちから声が上がりました。最初は一番前を歩いていたスタッフがおに役をしました。なかなかいいポーズでピタッと止まるので繰り返し何度も、「だーるーまーさーんーが、、、」とやっていると横断歩道に到着しました。渡ると小道に入るので、もういいかな~と思っていたら「今度は私がおにやるね~」と始まりました第2弾。前を歩くスタッフはおに役の子どもより前でピタッと止まり、誰も見てないだるまさんがころんだを楽しんでいました。 たまたま近所の農家のお兄さんが通りかかり、「前も後ろもだるまさんがころんだしてるの初めて見た!」とほほ笑んでいました。 

 数日後、出かける場所を相談をしているとき、おに役をしていた子どもが「あのだるまさんがころんだは楽しかったね~。私知ってるよ。とりさんたちが前でピタって止まってたの。誰も見てないのに何でやってるんだろうって思っておかしかったわ~。」と話していました。 

 何気ない日常の、定番の遊び。これこそが遊びの原風景なんだろなと思いました。いつか“あ~あんなことあったな。楽しかったな、あの頃の私。”って思い出してくれるといいなと思います。そしてほっこりと心をあたためてくれる思い出になるといいなと思いました。 

 ほどきのとっとが3周年を迎えた2023年12月。私たちは今までとは違う子どもたちの姿を感じています。散歩で歩くとき肩を並べて歩くのは子ども同士、共感してもらってうれしいのも子ども同士、以前はスタッフと子どもがペアになり一緒に動くことを楽しんでいました。でも今は、何気ないけれど重みのある日常を過ごしてきた仲間とのつながりを感じ始めています。思えばほどきのブログを書き始めたころ、エピソードについてスタッフが、「大人と子どものエピソードは書けるんだけど、子ども同士のエピソードってなかなかないんだよな~。」と話していました。それほど大人は子どもに密に関わり、一対一の関係作りに力を注いでいたのだと思います。でも今は、子ども一人一人から少し離れ、周りとどうつながるのが面白いのかを考えています。ほどきのとっとの取り組みはどこにつながるのか、どうなっていくのか分かりません。“どうなりたいのか“すら、はっきりとしたものがあるわけではありません。手探りで、自分の感じたままを大事にしながら、失敗も後悔もたくさんありながら日々を楽しんでいます。子どもたちと一緒に見つけていく、そんな歩みをこれからも続けていきたいと思います。(とりかい)