講演を終えて~糸賀思想への挑戦~

 去年に引き続き、地域の講演会に招いていただきました。

 演題は「障がいのある子どもの福祉って何だろう?」でした。

 今年は、ほどきのことを話すことから離れて、全く新しい試みに挑戦したい思いがありました。それは、前々から気になっていた糸賀思想を取りあげることでした。具体的には、鳥取出身で障がい福祉の父として知られる「糸賀一雄」を読み解き、単なる昔の話で終わらせず、現代の福祉思想へとつなげたいと思っていました。

 歴史的なことをいかに分かりやすく、興味を持ってもらえるように伝えるか、また「障がい」などの意味や今では不適切とされる表現を(特に当事者の方に対して)いかに不快感を持たずに聞いてもらえるか、というところに苦労しながら講演の準備をしていました。

 なので講演が終わった後は、皆さんがどのように受け取ったのだろうか…と気になってスッキリしない気持ちでした。

 しかし同時に、ほどきの実践が少しクリアになってスッキリした気持ちもありました。ほどきの実践をほどきの人が語るというのは、簡単なことではないのです。まるで家の中に居ながら家の全体像を理解しようとする感じですかね。実践に巻き込まれている立場なので、実践の全体像を冷静に見るのが難しいということです。そこに糸賀思想という物差しを外から持ってくることで、ほどきの実践の新たな意味が分かったように思います。「一隅を照らす」「ハビリテーション」など、いくつかの重要なキーワードを取りあげましたが、特に「ミットレーベン」は実は「『学び』をほどく」ということではないか!?と発見できたのは、かなり大きな収穫でした。

 平日にも関わらず会場に集まっていただいた方々、そして会場運営・準備や手話通訳をしていただいた方々には、感謝感謝です。

(りょうた)

 

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